全日本学生弁論大会
 

第一高等学校・東京大学弁論部

 第一高等学校・東京大学弁論部は125年以上の歴史を有する東京大学法学部の公認サークルです。これまで、広田弘毅(元首相)や芦田均(元首相)、矢内原忠雄(元東大総長)など、数々の著名人を政・官・財・学などの各界に輩出しています。

 部会では主に弁論・ディベートという二つの活動を行っています。我が部が「弁論部」と掲げていながら弁論単体ではなくディベートも行うのは、これら二つが共に「他者を説得する力」を鍛える点において有効であると考えるからです。ディベートではある議題について賛否両方の立場からの視点が要求されます。自分が何かを主張するとき、反対に立つ相手側の主張を理解することで初めて相手を説得することができると東大弁論部は考えています。さらに、ディベートでは論理性が極めて重視されますが、この姿勢は当然弁論を作成するにあたり不可欠です。また、逆に弁論の活動で磨かれた理念の追求や声調態度は、ディベートで他者に伝わりやすいスピーチをする上でもいきてきます。ディベートと弁論、この両者は相互に作用し合いながら「他者を説得する力」を鍛えて行くのです。

 他者を説得することは難しいことです。論理的にいかに正しい「正論」であったとしても、情緒的にものを訴え同情を誘うようなものであったとしても、その片方だけでは人はなびかないのです。論理的に、かつ熱い想いをもって、相手にものを伝える。そして相手の心を動かす。それこそが、真に「他者を説得する」という営みであると、東大弁論部は考えています。そのための手段は様々であり、日々研鑽を積む中で、部員それぞれのなかに、自分なりの説得に対する考えを深めていくのです。

 東大弁論部では、五月に五月祭記念弁論大会を、年末に東京大学総長杯争奪全国弁論大会を開催しています。開かれた大会であり、はじめて弁論大会をご覧になる方も多くいらっしゃいます。興味をお持ちの方は是非足をお運びください。